バイオ発酵技術、MK菌開発・販売の株式会社MK技術研究所

MK菌のエビデンスデータ

土壌活性液N-100“土帰・土輝”を、堆肥づくりと野菜栽培に使用してみて(感想)

2020 年 8 月 8 日 山梨県総合農業技術センター 専門員 城野 仁志 記

1 はじめに
私が 2019 年の秋に㈱MK技術研究所の深山浩右氏から土壌活性液Nʷ100(土帰・土
輝)の提供を受け、堆肥づくりや野菜栽培に使用してみたところ、良好な成果が得られまし
たので、以下に感想を記します。

2 良質な堆肥ができること
昨年秋から今年の春にかけて、稲わら堆肥(細断した稲わら+もみ殻)を作った際に、
発酵促進のための米糠(こめぬか)や畜ふん堆肥(豚ふん等)、及び炭素率調整(目標:C
N比≒30)のための尿素を加えた他、今回新たに土壌活性液(土帰・土輝)を水(稲わら
等・500kgに対し200L~250L)に約百倍に希釈して散布した。
その結果、以下のような成果が得られた。
土帰・土輝を水に希釈して稲わら等の堆肥原料に散布したところ、悪臭(腐敗臭)が殆
ど発生せず、良質な堆肥を作ることができた。

【考察】
これまで、稲わらや畜ふん等の堆肥原料に必要量の水を散布して攪拌し堆肥置き場に
積む場合(※切り返し:約一月毎に行い、2~3回反復)、発酵の初期段階でアンモニア
臭などの悪臭がいくらか発生していた。
しかし今回、土帰・土輝を希釈した水を散布した稲わら堆肥では悪臭が殆ど無かったこ
とから、積み込んだ堆肥のうち、空気が十分に入らない嫌気状態となる下部層においても、
腐敗型の有機物分解を防ぐ微生物が増殖して機能したのではないか。

3 野菜における良好な生育、耐病性や食味の向上
上記により製造した稲わら堆肥を、今年の春(3~5月)に畑に散布(約2kg/㎡)に
散布して約一か月後、トウモロコシやトマト(大玉:麗夏、ミニ:アイコ等)、小玉スイカ、
小玉メロン等の苗の植え付けを行った。
①トウモロコシ
対象区の畝(市販のバーク堆肥を散布)と比べて、
明らかに生育が良好であった。
(右の写真:5月 21 日撮影
→左畝:土帰・土輝添加堆肥入、右畝:市販堆肥入)
②トマト、スイカ、メロン

【食味】
化学肥料や市販堆肥を入れた土で育った作物よりも、全般的に雑味(にがみ、えぐみ等)
が少なく、自然で爽やかな甘み、うまみを感じる良品を収穫することができた。

【耐病性】
今年 7 月の梅雨期の⾧雨にもかかわらず、病気による腐敗果の発生は非常に少なかっ
た。
また、トマトについてはオオタバコガ等の害虫による食害も、殆ど見られなかった。

4 今後の取組について
①他の微生物資材との比較実験の実施
多くの大型ホームセンターで市販されている農業用微生物(土壌改良)資材(例:万
田酵素アミノアルファ(1L:約5千円)、菌の黒汁(くろじる)(1L:約2500円)、
等)、等)と比較した栽培実験を近く行いたい。(※土帰・土輝:1L・約2千円)

②一層効果的な土壌改良手法の実験
農業用微生物資材を用いて農地の土壌改良を行う場合、土壌に微生物資材(希釈液等)
を直接散布するよりも、堆肥づくりに添加することで有効微生物群を大幅に増強した
うえで土に漉き込む方が、一層効果的かつ経済的であると考える。(※今回の手法)
それに加えて、特に夏季において、畑土に(土帰・土輝入り)堆肥を入れて耕運した
後、土帰・土輝を希釈した水を土壌水分比率で50~60%くらい畑土に散水して、表
面をビニールやワラなどで被覆し、約20日~40日ほど湿った状態で養生すること
により、土の中の有効な微生物量の密度を一層高めることができると思われる。
今年の夏から秋にかけて、この手法で土壌改良、及び比較栽培実験を行ってみたい。

 

レポート 山梨県総合農業技術センター(PDF)

お気軽にご相談・お問い合わせください。 TEL 050-3160-3101 受付時間(月〜金):10:00〜17:00